うるくぬ んかしばなし

第2話.武寧王(ぶねいおう)

第2話.武寧王(ぶねいおう)
 あねぇー、察度王(さっとおう)といってね、もう、それは昔の王様だがよ。この人は、浦添(うらそえ)の謝名(じゃな)に住んでいた奥間大親(おくまうふや)という人と、だぁ、天女(てんにょ)との間に生まれたわけさぁ。はじめ、貧乏していたが、石ゴロゴロ集めてね、おかしな人であったんだが、その石は実は宝。そう、黄金(こがね)であったわけさぁ。そして、牧港(まきみなと)に来る大和(やまと)の船がね、たくさん鉄を持っているというので、この黄金と交換してさあ、鍛冶屋(かじや)はじめて、鍬(くわ)とかヒーラ造ってからに、百姓にくれたわけ。だから、とても喜ばれてねぇ。そのころの王様が亡くなって、つぎの王様にみんなから選ばれたのさぁね。偉い人さぁ。

 ところが、察度王が亡くなると、長男の武寧(ぶねい)が王様になったのさぁね。このころから、唐(とう)と貿易してから裕福(ゆうふく)なるのはいいんだが、これが、ぜいたくばっかりするのさぁね。とうとう、政治をそっちのけするもんで、尚巴志(しょうはし)に狙われるようになつてしまつたのね。だれでも、金持ちになると気がゆんでんでそんななるんだねぇ。して、とうとう尚巴志と戦争なるわけさぁ。でも、負けてしまつて、命だけは助けてもらうんだが、もう、あっち逃げ、こっち逃げの暮らしになってしまったわけ。そうしているうちに、小禄にもきたらしい。あね、小禄の高台に殿(トゥン)てからあるでしよう。御嶽(ウタキ)よ。その隣にね、小禄城というのがあって、ここに住まわれたらしい。カニマン御嶽ってからよんでるさぁ。ここで夫人をもらってね、子供も生まれたらしい。それが、小禄王子ってよ。

琉球王朝時代の小禄の歴史
泰期

戻る