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01.白内障(はくないしょう)について
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01.白内障(はくないしょう)について 白内障とは、目の中の水晶体というピントあわせをする部分が、にごってしまう病気です。そのため目が見えにくくなります。 水晶体がにごる原因は色々ありますが、老化によるものが多いようです。50才をすぎると、たいていの人は水晶体ににごりが出てきます。 ただし、にごりのために目が見えにくくなる年令は人によってちがいます。普通、視力が0.2以下になれば手術が必要となります。しかしO.1以下となっても特に不自由を感じなければ手術の時期をのばすことは可能です。 ![]() 白内障の手術とは、にごった水晶体をとり除き、光が入るようにすることです。ただし、水晶体をとっただけではレンズのなくなったカメラと同じで、ピントをあわせることができません。 そのために、とりのぞいた水晶体のかわりになるものとして、めがね、コンタクトレンズ、そして眼内レンズがあります。しかし、ほとんど眼内レンズが使用され、めがねとコンタクトレンズは、まったくと言ってよいほど使用されません。 めがねは手間がかからず安全な方法として、以前はよくおこなわれていた方法です。 欠点として、レンズが非常に厚く、物が30%くらい大きくなって見えます。また、周辺の物がゆがんで見えたり、視野(見える範囲)が狭くなったりします。 ただし手術が片方だけの場合は、全くバランスがとれませんので、コンタクトレンズか、人工水晶体を使用すべきです。 コンタクトレンズの方が、白内障手術後の視力矯正においては、めがねよリも優れております。 物の大きさもさほど変わらず(約7%の拡大)視野の周辺部も良く見えます。また最近のコンタクトレンズは1〜2週間入れたままにできます。しかし、コンタクトレンズは洗浄、保存、滅菌など手間がかかリます。お年寄リや手の不自由な方には不適当かと思います。 現在、人工水晶体が術後矯正で最も優れています。当院で実施している白内障手術の99%は人工水晶体を使用しています。見える範囲も広く、物の大きさも普通に見えます。また一度手術をすれば、よほどのことがない限リ永久に用いることが出来ます。 体に病気(糖尿病、緑内障、ブドウ膜炎など)がある場合は、人工水晶体が使用できないこともあります。また、目に病気が起こったりした場合、人工水晶体が目に悪い影響を及ぼす場合もあリます。そういう場合は人工水晶体を取リ出すこともあリます。 もっと詳しく知りたい方は「眼科手術開業医の会」をご覧下さい。 戻る 02.緑内障(りょくないしょう)(慢性型)について 緑内障は失明する病気で、手術も出来ない? 緑内障についてのイメージはこのようなものではないでしょうか。緑内障の事が話題になると「見えなくなるってね。」「手術も出来ないんでしょう。」という話がまことしやかに語られています。でもそのような出来事は今から50年以上も前の話です。その頃の沖縄は自分の住んでいる地域から外に出ることが殆どなく、出生、学校、結婚そしてお墓に入るのも、いわゆる人生の全てがその地域内でなされるという生活をしていたのです。そのような時代には、片方の目が見えない位では眼科医に見てもらうこともあまりなく、完全に失明するまで放置する方も多かったようです。現在でも失明した患者さんを治癒させる方法はありません。「見えなくなるってよ。」「手術も出来ないってよ。」という言葉は、このような過去の出来事を表しているだけで、現状とは異なります。 ![]() ![]() 眼科で緑内障と言われているけど、どこもおかしい事ないけどな 現在緑内障の治療法を大まかに分けると、
(2)内服薬を使う方法
(3)レーザー光線を使う方法
(4)手術による方法
戻る 03.緑内障(りょくないしょう)(急性型)について
眼内の毛様体という部位で生成分泌された水分(房水)が虹彩の裏側を通り、虹彩の表側に出て、隅角より眼外へ出ます。これが正常な循環(図1)を示します。その水分の出口(隅角)が狭い人がいます。そういう方はある条件下で、水分の出口が閉塞(図2)する事があります。水の出口が閉じてしまうため、毛様体で作られた水分眼内から外に出られなくなります。これが急性緑内障発作です。強い眼痛、頭痛に加えて視力障害、悪心、嘔吐が生じます。眼科救急疾患の一つで、適切な処置がなされないと失明する場合もあります。
右図(図3)は実際に急性緑内障発作を起こした方の写真です。角膜(黒目)がぼんやりと濁り、瞳孔が中等度散瞳します。結膜は真っ赤に充血します。指で眼球に触れると、眼内圧(眼圧)の上昇によりとても硬くなっています。以前は、経過観察を注意深く行うしかありませんでしたが、図4のようにレーザー光を使用して、矢印のように虹彩に小さな穴を開け、水の流れを良くいます。これにより急性緑内障発作が予防出来るようになりました。 戻る 04.霰粒腫(さんりゅうしゅ)について 霞粒腫とは、方言でいう「ミィンデー」の慢性型のことです。まぶたにコリコリした腫れ物ができ、痛くないのが特徴です。 これが大きくなったり小さくなったりしながら慢性化します。いわゆる、芯が残るということになります。この状態になりますと薬が効きにくくなり、手術が必要になる場合もあります。 この手術は、腫れ物の周囲に麻酔薬を注射し、痛みを止めてから行います。手術中は麻酔が効いていますので、ほとんど痛みはありません。手術時間は20分位です。 手術をしたその日は、洗顔、洗髪はいけません。お風呂は、湯船には入らず、シャワーを浴びるだけにしておいてください。顔は眼帯のまわりを拭くだけにして下さい。その他、あまり動き回らずに、安静にしておくと良いでしよIう。 手術翌日は、なるべく早い時間に来院してください。変わったことがなければ、眼帯が取れます。手術は、月、火、水にご予約を受けております。 戻る 05.翼状片(よくじょうへん)について 翼状片とは、結膜(白目)から黒目に膜の様な肉片が伸びてきて、黒目を部分的に覆ってくる病気です。小さい時期は放置しても特に問題はないのですが、大きくなって黒目の中央近くまで伸びて来ると、白目の充血がひどくなったり、黒目の変形や濁りが発生して視カ低下を起こすこともあります。 治療としては、目薬などでは治りませんので手術をして切除する方法がとられます。当院で実施している手術法は、翼状片を切除した部位に他の場所から健康な白目の膜を持って来て移植する方法です。 その他にも、色々な方法がたくさんあります。しかしいずれの方法も、確実に翼状片を完治させることはできず、再発の報告があります。 現在、当院の手術成績は約97%の治癒率かと推定しております。この治癒率は決して悪い数字ではないと自負しておりますが、それでも約3%は再発しているということを示しています。 手術は、月、火、水曜目に予約を頂いて実施しております。手術時間は30分位です。 戻る 06.近視って悪い目なの? 第二次世界大戦前の日本は世界でも有数の軍隊を維持していた為、徴兵制度がありました。心身強健で視力も良好でなければ、兵隊検査に合格(甲種合格)しませんでした。その為国民の半数近くが近視になる状況を改善しようとして、視力の良好な目を「良い目」、近視を「悪い目」として差別した歴史があります。 以来お祖父ちゃん、お祖母ちゃんから「姿勢が悪いから近視になる。」「漫画ばかり見るから、寝っ転がって本を読むから、暗い所で…。」などとお父さん、お母さん方に伝えられました。 これが洗脳(又はマインドコントロール)と呼ばれるものです。子供の頃大人に教えられた事に対しては全く批判精神がなく、そうなんだと思い込んでしまうのです。それに加えて「悪い目」という言葉はいかにも病的なイメージを生み出し、「このまま悪くなると失明しないだろうか。」というオーバーな心配までするようになりました。 近視と宣告された途端泣きだす親御さんもいて、大騒ぎになる時もありました。でも近視は近くが良く見えます。本などは何時間読んでも疲れません。将来デスクワークをする人には最適です。冗談で「勉強し過ぎて近視になった。」という話がありますが、むしろ近視の子は近くは良く見えますから、勉強に向いているのかも知れません。ちなみに大学生の70%は近視です。 戻る 07.眼鏡をかけると目が悪くなるの? 眼鏡をかけると目が悪くなると信じている方々がおられます。その方々に質問。
問.沖縄県にも数えきれない程の眼鏡屋さんがありますが、彼らは目が悪くなるのを知っていて眼鏡を販売している犯罪者なのでしょうか。 例えて言いますと、毎年足が大きくなる、身長が伸びるというのと同じです。私達は子供の成長を喜びます。しかし目の成長だけは誤解があり、嘆いたり、怒ったりします。 目は成長により近視化しますが、目の性能が悪くなったり、病的になっている訳ではありません。この事だけはしっかり頭に止めておいて下さい。 戻る 08.近視になって損をした? 近視は不便だ、煩わしいなど評判がよくありません。実はこの評判は頭の中の常識で考えた結果であって、事実と違う場合が多いのです。 【目の良い人達の一般的なコース】 子供の頃視力は1.2〜2.Oでr「良い目、良い目」と誉められて育ち、自分でも良く見えるのを自覚する。 メガネを掛けている子を見ると可哀相に思い、反面自分の目の良さに感謝とプライドを持つ。やがて30代中頃より疲れ目というものを意識し始めるが、自分の目は最高だと思つているので放置。40代になると、頭痛、肩凝りなど明瞭に感じるようになる。眼科へ行くと、疲れ目(=老眼の始まり)と言われ、メガネを掛けるよう勧められる。 その辺から目に対する認識が違い始める。すなわち、良い目も結構大変だと云う事なのである。初めて掛けるメガネは結構つらい。メガネを掛けただけで目・鼻・耳に違和感がありすごく煩わしい。また遠近両用メガネは、地面が揺れて気持が悪く、はっきり見えたりぼやけたりで、よけいに目が疲れる気がする。 これが目の良い人の一般的なコースです。30代位までは遠くも近くも良く見えて、とても快適な生活を送れます。ところが老眼が加わった頃から近見作業に困難さを感じるようになり、次第にメガネがないと近くが見えなくなります。メガネを始める時期が遅い分だけ慣れるのに苦労する方もおられます。 【目の悪い人達の一般的なコース】 小学校、中学校または高校時代に遠くが見えなくなり、メガネを掛ける事となる。ご両親は近視を治す為に色々と試行錯誤を繰り返すがうまくいかない。この時に「悪い目」「自分が悪い事をしたから近視になった」というマイナスのイメージを持たされる子が多い。 ただし本を見たり、何か細かい作業には近視は最高の状態で、何時間やっても疲れる事はない。勉強に向いていると云われる所以である。しかも遠くの方はメガネを掛ければ見えるので実質的には困らないし、決して病的な目になっている訳でもありません。 これが目の悪い(実際には悪くないのだが)人達の一般的なコースです。メガネさえ掛けていれば何も困らないのに、悪い目というイメージに苛められているのです。ともかく子供の頃からメガネを掛けていますので、メガネには憤れていますから、老眼になっても遠近両用メガネにもすぐなれます。 戦前、仕事の大部分は農林水産業と製造業でしたので、遠くが見えないと仕事になりませんでした。現在、農林水産業は減少し、全体の70%はデスクワークです。むしろ目の良い人達は疲れ目で困っています。その傾向は40代以降に顕著になります。目が良いと云われていた人達に老眼の傾向が出てくるからです。 戻る 09.近視になる要因は? 生活習慣病という考え方があるのは良くご存じの事と思います。長年の生活の歪みが積もり積もって、糖尿病、高血圧等の成人病を発症するという考え方です。体を変化させるにはこのように40年も50年もの長い年月を必要とします。 わずか10才前後の子供達がどのような事をしたから、近視になると言うのでしようか。確かに後天的に生活習慣で近視になるらしいと言う事もありますし、それを完全に否定する事は出来ません。 しかし、現状の「あなたの姿勢が悪かったから、ファミコンばかりしていたから…。幾ら注意しても聞かなかったから、近視になった。」と叱るのは良い事でしょうか。これは「あなたは親の望まない子供になつてしまつた。」と批判しているようなものです。「あなたが悪いから近視になる。」という図式だけに固執して子供達を責めるのは良い事とは思えません。 成長は全て遺伝子にインプットされている事であり、目鼻立ちから耳の格好まで全てを支配します。特に栄養状態に問題がなければ、それらは遺伝子に記載された通りの形、格好に作られます。眼球だけがなぜ生活習慣の関与が強いとみるのでしょうか。成長は全て是として受け入れ、祝福されるべきと思います。 ※参考文献:眼科プラクティス(9)屈折異常の診療 戻る 10.遠視ってなに? 遠視とは、眼軸長(眼球の前後方向の長さ)が短すぎるか、角膜(くろめ)や水晶体(目の中のレンズ)の屈折力が弱いため、網膜(目の中の光を感じる膜でカメラでいえばフイルムにあたる)にうまくピントを合わせることができず、ピントの合う場所が網膜の後方になっているものをいいます。 このような目の場合には遠くの方はある程度見ることができますが、近くを見る時は遠視の強さの分だけよけいに目を緊張させないとピントが合いません。 この結果として、本を読んだり細かいことに熱中したりすると、目が疲れたり頭が痛くなったりします。この状態が長く続くと、本嫌いになったり性格的に飽きっぽくなる場合があります。 幼少時のこのような変化は、あとから矯正するのが難しく、大きくなってから困ることがあります。就学時の子供たちの半分くらいは遠視だといわれています。この中には様子を見るだけでよい遠視と、メガネをかけないといけない遠視があり、はっきり区別する必要があります。 子供たちの場合、目の成長はまだ終わっていません。目が成長する(目が大きくなる)につれて、遠視が徐々に弱くなって治る場合があります。その時まで、メガネはとても大切です。 ※こちらで遠視について詳しく説明してありますので、元気のある方はお読みになって下さい。 戻る 11.疲れ目をとる方法は? 1)メガネ 疲れ目に対して、薬などを何時までも使用することは出来ません。疲れ目は主に近くを見ることによって起こります。近くを見るとき、目の良い人ほど目の緊張が強くなります、このような緊張が長く続くと、疲れ目が起こります。それにともなって肩こり、首すじのこり、頭痛などが起こります。 以上の症状をなおすためには、近くを楽に見るためのメガネを作ることです。メガネをかけて、なるべく楽に近くをみるようにすると色々な症状がとれてきます。 2)休め方 タオルを水道水(又はぬるま湯)でぬらし、軽くしぼって、両方の目をシップして下さい。すくなくとも2〜3分、調子が悪ければ4〜5分必要です。症状にあわせて、日に3〜4回なさってみて下さい。 また、指で押すと心地よい痛みのある場所(ツボ、下記の■印参照)。そのツボを5秒ほど押さえてカを抜くことを5〜6回繰り返す。ただし、眼球を強くおさえるようなことは、しないで下さい。 ![]() 3)肩こり、首すじのこり かけっこをするように両肘を曲げ肩を大きくグルグル回して下さい。20〜30回数をかぞえながらゆっくり大きく回すようにして下さい。日に2〜3回なさったほうがよいでしょう。⇒詳しくはここをクリック。 戻る 12.乳幼児の眼球異常の見方は? 1)生後3〜4週
b.まぶたやまぶたの開きかたは左右対称ですか。 c.まぶたが腫れて、めやにがでていませんか。 d.ひとみ(瞳孔)が白くみえるか、光ってみえませんか。
b.大きなおもちゃや、両親の顔などを追いかけて見ようとしませんか。 c.眼球の動きが、おかしいことはありませんか。 d.斜視はありませんか。 e.涙や、めやにがいつもたまっていませんか。
b.ひとみ(瞳孔)が白くみえるか、光ってみえませんか。 c.斜視はありませんか。 ※「小児の目の見方」丸尾敏夫著より引用
図1プレス法お子さんを大の字に寝かせ、お母さんの両足で図のように両手、頭部、躯幹を固定します(足をバタバタさせる場合は足も押さえた方が良いかも)。普通はワンワン泣いて目をギュッと閉じています。閉じている瞼に親指と人差し指を軽くあて、軽く押すようにして開くと瞼がペロンとひっくり返り、瞼の裏側の結膜が出て来ます(眼球は見えません)。そこに目薬を1〜2滴点眼します。親指と人差し指を離すと、瞼はひっくり返って元に収まり、点眼液が眼球に触れることになります。 図2図2馬乗り法もプレス法と理屈は同じです。やり易い方法でどうぞ。 戻る 13.角膜異物ってなに? サンダーなどを使っている時、その削りクズが飛んで黒目に突き刺さる事をいいます。異物感が非常に強く、まぶしく感じ涙がポロポロ出てきます。異物をとらないと治りません。 最悪の場合にはバイ菌が入って黒目が白く濁り、失明することもあります。現在、この病気で失明する人は少なくなりました。バイ菌を殺す薬(抗生物質)が発達してきたためです。 しかし、残念なことには患者さん自身の不注意で、濁りを残し視力を悪くしたり、時に失明に至る人もいます。次の4点を厳守すれぱ、通常は簡単に治る病気です。
2)眼帯をはずさない。 3)異物を取った目は、安静にして治療に専念する。 4)治療中、変わったこと(充血、異物感、痛みがひどくなった場合など)があったらすぐ来院する。 .![]() 戻る 14.メガネの作り方(小児用) (1)メガネのレンズをプラスティックにして下さい。
戻る 15.眼のアレルギー 近年アレルギー疾患の罹患率は急激に増加しているとされ、国民の3割は何らかのアレルギー疾患を有しているといわれている。特にスギ花粉症(沖縄にはありません。)の増加は著しく、原因としては以下の事が挙げられている。
すなわち、1)スギ花粉飛散数の増加、2)大気汚染、3)食生活の変化(欧米化)、4)住環境の変化、5)ストレス、6)寄生虫感染の減少等が指摘されている。眼アレルギーとしては原因別に、通年性アレルギー性結膜炎(ハウスダスト、ダニ、動物、カビなど)、季節性アレルギー性結膜炎(花粉症)およびその他(コンタクトレンズ、目薬など)に分けられる。さらに病因、症状、重傷度により下記の如く分類される。
1)アレルギー性結膜炎:通年性、季節性を含む .![]() 《 軽症 》 《 中等症 》 ![]() 黒目(角膜)と白目(球結膜)の境目付近に累々と盛り上がる灰白色の増殖物。これが重のアレルギーの特徴。 《 トランタス斑 》 3)春季カタル:重症で角結膜の増殖性変化を伴う。アトピー性皮膚炎との合併が多い。 .![]() 《 角膜プラーク 》 《 結膜乳頭増殖 》 .![]() 《 中等症 》 《 重症 》 5)接触性眼瞼結膜炎:点眼薬、化粧品など(後で追加します。)
アトピー性結膜炎と春季カタルは症状、所見、治療とも重複する部分が多いのでので一括して述べる。両者とも増殖性病変(眼瞼結膜の乳頭増殖、輪部結膜の腫脹と堤防状の隆起)を発症することがあり、その特徴的な所見より診断は容易である。症状は掻痒感、眼脂、流涙、異物感などであるが、重症化すると角膜に高度の上皮障害を生じるために眼痛、羞明を訴えるものが多い治療としては下記のものが挙げられる。
結膜嚢に侵入した抗原物質を洗い流す。 2)抗アレルギー剤点眼液 アレルギー性結膜炎に対する第一選択薬。有効率は約70% 3)ステロイド剤 a、点眼 軽症(アレルギー性結膜炎) 重症(アトピー性結膜炎・春季カタル) 症状によって、薬の強さを変えてコントロールする。 b、注射 春季カタルの増殖性病変に対して行う。 c、内服 ステロイド局所投与で改善のみられない症例に実施 アレルギー性結膜炎の軽症例では、抗アレルギー点眼薬(非ステロイド系)またはステロイド点眼薬でコントロール可能である。アトピー性結膜炎や春季カタルのような重症例ではステロイドと抗アレルギー剤の併用で小康を得たら、ステロイドを中止し、抗アレルギー剤の点眼のみで経過を診る事が出来ないか検討する。しかし治療に抵抗する事も多く、ステロイドの内服を間歇的に投与せざるを得ない場合も多い(約30%)。症状に合わせて対照的に治療法を選択する。近年は免疫抑制剤の点眼に治療の可能性があるとして期待されている。また日常生活における抗原回避は重要である。
b、カーテン・ジュウタン・ソファ・ヌイグルミ・観葉植物など、埃のたまりやすい家具、調度品、装飾品を置かない。 c、寝具では毛布の使用を避け、寝具やカバーはダニ防除効果のあるものを使用する。 d、屋内でイヌ、ネコ、小鳥などを飼育しない。
b、好天で風の強い日には外出を控え、家屋の戸、窓を閉じて花粉の侵入を防ぐ c、帰宅時には衣服に付着した花粉を屋内に持ち込まないようにする。 d、洗濯物は屋内で乾燥させる。屋外で乾燥させた場合は、取り込む前に花粉を払い落とす。 4)適度の運動を行い、便通を整え、規則正しい生活をする。 アトピ-性結膜炎や春季カタルは、眼合併症として円錐角膜、白内障、網膜剥離、ステロイド緑内障を、眼外の合併症としては、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、喘息などを発症する事もあるので留意しておかなければならない。 .![]() 《 正常角膜と円錐角膜 》 《 アトピー性白内障 》 |
